@がんばらないで生きていく

小説ちょこっととお本の感想,その他趣味,星を観ます

2019-01-01から1年間の記事一覧

ささみさん@がんばらない2 を読んだ.

何々を読んだ.シリーズとして今後は続けていこうかなと思っております. あ,それと一応名乗った方がいいのかなと前回思いまして,,,.よしだっていいます.はじめまして. さて,今回読んだ本はささみさん@がんばらない 2です. ささみさん@がんばらな…

HELLO WORLD if: 勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をする を読んだ.

HELLO WORLD if: 勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をする 伊勢ネキセ HELLO WORLD if ー勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をするー (ダッシュエックス文庫) 作者: 伊瀬ネキセ,映画『HELLO WORLD」,堀口悠紀子 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2019/09/20 …

日の記 13

13 遠い昔に見たような夢について,私は時たま思い出すことがある. もしかしたらそれは,本当は夢ではないのかもしれない.けれどどうも現実味がないという点で明らかに夢なのだということが分かる. 朝の身支度をしながら私は今日見た夢のことを考えてい…

日の記 12

12 講義が終わった. 今日もよく晴れた春の日差しが西に傾こうとしている中,私はいつも通り帰宅しようと本館を出た. 本館はこの大学にある建物の中で一番古いらしい.. しかし,たしかに古い建物という出で立ちではあるがそこまで古いとは思えなかった…

日の記 11

11 私が中学生の頃,一度大きな彗星が日本からでもよく見える時期があった.もちろんその彗星の出現はずっと前から分かっていたことで,私はしきりに友人たちにそのことを話していた. けれど驚いたことに私の友人たちは特に興味を持つわけでもなく私の話…

日の記 10

10 目が覚めてまず確認するのは今日の日付だった. 私は朝が弱くて起きてすぐは何も考えられないし,立ち上がる力もない.あるのはただ何となく今日も同じ身の中にいるのだなというぼんやりとした認識と,目覚めてしまったという若干の絶望である. もしか…

日の記 9

9 帰り道. いつものベンチには魔女はいない. 毎日彼女はいつここに来て,そしていつ帰っているのだろうか,と考えた.家はあるのだろうか,と少し考えた. 外見はどこから見ても普通の人間のそれなのだから,魔女だ,と言われても普通は信じられないので…

日の記 8

8 暗い箱の中に僕らは座っていた.天井が低くて椅子は目には見えないが,座ることによってその存在を認識している. おそらく夢を見ていたのだと思う. 私は中学生くらいの頃の背丈で,彼女はいつもどおりの姿だった. 魔女の髪がいつもより短い気がした. …

日の記 7

7 登校中.今日も気がつくといつもと同じ電車に乗っていた. 電車に乗っている間,私は音楽を聴くことができなかった. これはイヤホンを付けてケータイから音楽を再生してもそれが耳に入ってこない,という意味だ. 次の駅のアナウンスが,ドアの開閉の音が…

日の記 6

6 今日はいつものベンチには魔女はいなかった. そういう日もあるか,と思って私はそのまま講義室へと向かった. 私は今日もまた,つまらない講義を受けなければならないらしい.そこには何の理由もなければ意味も見いだせない.謎の義務感だけによって私は…

日の記 5

5 授業というものは実に良く出来ているシステムだと思う.否,これは語弊があるかもしれない.とにかく私にとっては他人から受動的に学びを得られるというのはありがたいシステムのように思えるのだ. ただただノートを開いて気が向いたら板書を写し,必要そ…

日の記 4

4 「あ,」 それは言った. そうか,昨日も会ったんだ. しかし 「今日は制服着てる」 あなた今日は制服を着ていますね,ということを伝えたかったのだが言葉にした途端それは高い剛性を持った塊みたいな違和感となった. 「大丈夫,あなたの言いたいことは…

日の記 3

3 朝を告げるアラームを頑張って腕を伸ばして止める. 午前八時零零分。 一限には間に合わないが二限に登校するには充分の時間だ.私は今日の日付を確かめる.けれどカレンダーはそれを教えてはくれない. 朝食は毎朝納豆ご飯だった. 好きだからそうしてい…

日の記 2

2 講義室の前で人があふれ出すのを待つ.前の講義が少し長引いているらしい.一人二人講義室を出ていくものもいる.彼らには次の用事がそんなにも詰まっているのか,と何ともなしに思う.徐々に同じく講義室の前で待機している人が増え始めてきた. 腕時計…

日の記 1

1 気が付いたらもう私は大学二年生だった. 小学生のころ,中学生になれば何か世界が変わるのではないか,と期待していた自分がいたことをなんとなく思いだす.けれど実際はそんなことはなく,世界はただただ理不尽にあふれかえっているということを思い知…