希望が死んだ夜に を読んだ.
こんばんは,よしだです.
さてさて何から話したものか.
世間は新型コロナウイルスにやられ,日本でも非常事態宣言が発令され範囲が全国に拡大されました.
この大変な世の中ですが,世界を支えるためにお働きになっている方々には頭が上がりません.心から御礼を申し上げます.
この自粛自粛の世の中ですが,家で一人でいる時間が長くなると簡単に鬱々としてしまうかな,と思ってましたが,よしだは元気です.
毎日生きる希望にあふれています.(今回のキーワードをさりげなく盛り込みつつ)
それは何を隠そう,22/7というグループの存在です!丸山あかねほんとすこ.
こちらについて深く掘り下げるのはまたの機会にするとして,今回読んだ本の紹介と参りたいと思います.
天祢涼著,希望が死んだ夜に です.
ようやく を読んだ.第三弾です.この自粛期間にちゃんと読書しないなぁと思いつつあまり読めていません.
ですがこちらはすごい熱意をもってたったの二日で読み切ってしまいました.
その理由がこちら.
読み終えた身。
ここで冒頭で22/7を出した理由を明かすわけですが,メンバーの一人である滝川みう氏が自身のTwitterにてこのような投稿をされていました.(今は消されてしまっています)これは読むしかない!と即購入しました.このコロナの騒動の中配達してくださった方には感謝でいっぱいであります.
簡単に内容に触れて感想を垂らしたいと思います.
主人公は高校生の女の子,その名前をネガちゃん,と言います.彼女は同じクラスの春日井のぞみを殺したと主張しますがその動機については頑なに語ろうとはしません.
この事件を担当するのが捜査一課に来たばかりの真壁と生活課の仲田.真壁は上司の信頼を勝ち取ろうとこの初仕事に奮闘しますが一方でこの事件を半落ちで終わらせるわけにはいかないと焦ります.そんな真壁の焦りとは裏腹に仲田はマイペースにネガちゃんやその周辺の人物の心情を「想像」して事件の全貌を理解しようとしていきます.
まずこのでこぼこな二人組が面白いです.
そしてこの小説の構成として現在時間,つまり調査中の時間軸とネガちゃんたちがメインとなる事件以前の時間軸とが交互に描かれています.この描写が必要十分でとても爽快感があります.
そしてもう一つは子供の細かい心情描写がとても印象的でした.その手のエキスパート(とよしだが勝手に思ってる)湊かなえ氏を少し思い出しました.(けどあそこまではいかないかなくらい)
正直に言ってしまうといくつか突っ込みどころやその年の子がそんなこと思う?というような点もあります.しかし,展開が着実に進行し真実に行き当たるまでの筋書きは非常に面白かったです.真相にはあまり納得してはいませんが.
希望
主人公の名前はネガちゃんでした.希い(ねがい)から取ってネガだそうです.作中でも触れられていますがこれはネガティブ,つまりポジティブの対義語を想起させます.そして殺された女の子の名前はのぞみでした.
ネガとのぞみ
さて突っ込みどころの一つとしてはこの作品に出てくる人物が悉く家庭環境に恵まれていない,という点です.ほんとに世の中そんなに困窮している人たちで溢れかえっているの?と思ってしまっている自分がいます.きっと私みたいな平和ボケした人間は彼女らの心境を真に理解することはできないでしょう.
けれども生きていれば,
生きていれば希望はきっとあると,私ならそう言い切ってしまうのでしょう.ここら辺は最後の数ページのネタバレです.すみません.
私にとっての希望ってどこにあるのでしょうか?うーん,ムズイ
得体の知れない不確かなものをなんとなく信じることでしか生きていけない人間というものは正直恐ろしいです.目に見えないウイルスに殺されて,でもそれもなんとなく自分とは関係ない話のような気がしてしまう.そんな自分が嫌でしょうがありませんが,とにかく今は家でひきこもって22/7でもみて元気を出します.
次回があることを祈ってこの辺で,おしまい