@がんばらないで生きていく

小説ちょこっととお本の感想,その他趣味,星を観ます

ささみさん@がんばらない2 を読んだ.

 何々を読んだ.シリーズとして今後は続けていこうかなと思っております.

 あ,それと一応名乗った方がいいのかなと前回思いまして,,,.よしだっていいます.はじめまして.

 さて,今回読んだ本はささみさん@がんばらない 2です.

ささみさん@がんばらない 2 (ガガガ文庫)

ささみさん@がんばらない 2 (ガガガ文庫)

  • 作者:日日日
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/04/20
  • メディア: 文庫
 

 

 なんで2やねん,とお思いの方しかおられないでしょう.実は前回読んでいたHELLO WORLDスピンオフの前に読んでいたのがHELLO WORLD本編でして,この二冊は友人から借りたものでした(早く返さねば).ちょうどその前に読んでいたのがささみさん@がんばらないの1でした.
なので今回は2になります.
ちなみに1も2も以前読んだことがあり,ささみさんは3まで持ってます.
読んだ本は2ですが,ここではささみさんについての感想にしようかなというお気持ちでいます.というか4以降もちゃんと読めって感じですよね,はい.

 2013年にアニメ化もされたことで大変有名な国民的人気作品であるところのささみさん@がんばらないですが,これは日本神話に基づく神々のお話です.
私,お恥ずかしながらに日本神話は弁えておらず,そういう視点から深く感想を持つことはできません.悪しからず,いや悪し.

 主人公のささみさんは月読という家系の巫女としてこの世に生を受けます.この月読神社は代々その巫女が最高神アマテラスを自身に宿し,コントロールすることで人間界を人間にとって住みよく都合のいいような世界に統制します.統制力としての力というのがこの作品の中では「改変」と呼ばれています.

 世の中には八百万の神々が存在し,そこには階級が存在します.例えば家具の神の下には椅子の神が,その下には木材やネジといった神が存在し,細分化された末端の神ほど階級は低いようです.こうした神格の低い神は常に神格の高い神に気に入られようとチャンスをうかがっています.そして一番神格の高い神=最高神アマテラスがひとたび何かを望むと低級の神々はその願いに沿おうと自信を変質させます.これが改変とされています.

 ささみさんはこの頂点を任される運命にいたわけですが,その運命を嫌い,神社を出て俗世で兄貴(シスコン)と暮らしています.簡単に言うと彼女はがんばりたくないんです.俗世でゲームやネットだけして生きていたい,とそういう少女なのです.

 けれどもやはり運命は運命,ささみさんの身の回りで起こるあれやこれやの大騒動にささみさんはがんばって立ち向かいます.ささみさん@がんばらないはそんなお話です.

 方々から違うが,,,と怒号が飛んで来そうですが,私から見たささみさん@がんばらないはこんな感じです.僕も@がんばらないで生きていきたいものです(ブログ名回収).

 ちょっとだけ,2の内容に触れようと思います.第2巻ではささみさんは普通の女子高生として神の力に頼らず,他でもない自分の力で友人関係を築こうと奮闘するお話があります.あまりに健気.がんばるささみさんすこ.第2巻感想おわり.

 いや,読んだ本の大それた感想なんてそりゃ私には書けませんよ.一言二言思ったことをなんとなーくまとめる,それぐらいのスタンスで今後もちまちま続けられればなぁと思っています.

 先日,ぶこふをまわってささみさんの4以降を探したのですが4以降どころか1すらもどこにも売って無くてええぇってなりました.Amazonで買うかぁ,,,.

 あと を読んだ.シリーズにシリーズもの向かないなぁと思ったので次回はささみさん@がんばらない 3ではなく違うものにしようと思います.

 しかしここで一つ問題が発生したように思います.

 これではこのシリーズを,記事にするために読書するようなものになってしまうではないですか. を読んだ.ではあくまで私がそのときに読んだ本を,私が適当にその感想を垂れ流す場です.大事なのはここで,これはあくまで誰かに読んでもらおうと思っている記事ではないということです.ですから,僕は僕の好きなように読んだ本の感想をここに適当にまとめるだけにします.

 でもささみさんの3と同時に何か別の物を読もうかなと考えているので次回,もしここでまた記事を書くようなことがあれば, を読んだ.の第3回があるのならば,それはささみさんと平行して読んだ方の本にしようかなと思ってます.

 こんなこと聞かされても,はぁ,って感じでしょうけどね,おしまい.

HELLO WORLD if: 勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をする を読んだ.

HELLO WORLD if: 勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をする

伊勢ネキセ 

 

 

 読んだ本の感想を書くやつをやろうかなと思い立って書き始めました.これを第一作に選んだという訳ではなく,たまたま今読んでいたのがこれだったので記念すべき一本目はThe Story of かでのんになりました.あ,貸してくれた友人くんありがとう.

 これは現在やられている映画(まだやってるのか?)である,HELLO WORLDのスピンオフ,ifストーリーとなっています.とはいっても,これ本質じゃね?というところや,原作(映画)とはやっぱり違う世界だなというところもあり,これはこれとして別の作品と思って読む方が純粋に楽しめるのではないかと思います.

 今回第一回目なのでどういうスタンスで書くか全く定まっていませんが,ネタバレととらえかねない記述があっても許してください.また,読んだ作品に対して,結局は全て主観でよかっただの悪かっただのと感想を言う(読まされる)ことになります.気分を害したらすみません,今後一生私の記事は読まないでください.あとあんまり長々書く気もありません.

 さて,本編は殆ど映画と同じ時間の流れの通りに進んでいきます.勘解由小路三鈴(中学生)のもとにミスズ(二十年後の姿)が現れてなんだかんだします.かでのんの葛藤や成長について描かれ,また私の脳内ではあまり正確に再現できない描写としてスーパージャンプを決めたりなんだりがありました.かでのんってこういう女の子だったんだな,程度の感想を抱きながら最後まで読み終えてしまいましたが,結局まだちゃんと理解できないのがこのHELLO WORLDの世界の構造です.今いるこの場はデータであり,ナオミがやってくる元(10年後)もデータの世界.しかし,ミスズがやってくる元(20年後)は現実の世界というデータ世界の中のデータ世界,という二重構造が原作にあり(原作ではあまりちゃんとは触れられていなかったような),本作でもその前提は同じです.

 あれ,そういえば脳死になったのって結局堅書くんなんだよね?けれどデータの世界はアルタラ(スペル忘れた)に記録されたそっくりそのままの京都の過去なわけですよね?そうすると一行さんが脳死になるのも,堅書くんが瑠璃を取り戻そうと自信を過去に送り込むのも実際に起こった事実(過去)であるはずです.

 ん,いつ堅書くんは脳死になったんや?そしてそれを救おうとした瑠璃はいつからその道に進み始めたのか,それとも最初の二重構造は全て堅書くんの妄想で,20年後だけが本物?もうよく分かりません.

 ここら辺が私にはよくわからずHELLO WORLDはどちらかというともやもやした作品という印象が強いです.まあ,野崎まどですからね.あのカド,ざライトあんさーの野崎まどですからね.そういえばいま野崎まど作品でバビロンってやつやってますね.これは結構期待してます.最終話前くらいで一気見しようかと思ってます.またオタクの友人たちと観賞会したいなぁ,と思いつつ,おしまい.

 こんな感じでかなり適当に読んだ作品について一言二言いうだけで今後も続けていきたいです.あんまりがんばりすぎると大変だからね.

日の記 13

13

 

遠い昔に見たような夢について,私は時たま思い出すことがある.

もしかしたらそれは,本当は夢ではないのかもしれない.けれどどうも現実味がないという点で明らかに夢なのだということが分かる.

朝の身支度をしながら私は今日見た夢のことを考えていた.

最近ほぼ毎朝魔女にあっているのだから彼女が夢に出てくるというのもそこまでおかしな話ではなかろう.

今日はちょっとそのことについて彼女と話してみようかな,と考えている時点で比較的前向きな朝を迎えられていると自己分析できる.

玄関先で靴の踵をうまいこと直しながら家の鍵をかける.

ここは四階でもしかしたら立地もいいことを考えると少しいい物件なのかもしれない.

それでも一人暮らしをするというのは単にとても長い期間,ホテルの同じ部屋に泊まり続けるのと同じようなものであまりこの場所が自分の所有物だという温かみはなかった.

こうして学校に行きたくないな,なんて思いながら私はまた今日も満員電車に詰められに行くのだった.

ここからは紛うことなき現実で,夢なんかじゃない.ほっぺたを引っ張らずとも満員電車の他人の圧で自分の体に体積があることは確認できる.しかし,このところもはや痛みは感じてはいない.

そんなこときっと考えてもいなかっただろうし,あとから今日のこの場面を思い返すことも無いだろう.

今日は前向きなはずだった.そのことを意識しておかなくてはいけない.もったいない,という感情が私にそう言っている.きっと意味なんてない.

ホームを出て日光を浴びると今日のこれまでの出来事は一瞬で幻想と区別がつかなくなる.

どこにも行きたくないはずなのに毎日同じ所へと私は向かうのだ.

日の記 12

12

 

講義が終わった.

今日もよく晴れた春の日差しが西に傾こうとしている中,私はいつも通り帰宅しようと本館を出た.

本館はこの大学にある建物の中で一番古いらしい..

しかし,たしかに古い建物という出で立ちではあるがそこまで古いとは思えなかった.建物の中は外見に比べるとそこまでの老朽を感じない. おそらく幾年かの頻度で改装しているのだろう.

改装と言うのだろうか.

内側を取り替える,という活動はなんだか生命と似ているなと思った.

言うなれば代謝だ.

 

帰り道,いつものベンチに魔女がいた.

魔女は座りながら自分のつま先を眺めているようだった.

その視線の意味は退屈か,とも思ったが魔女にそういった感情があるのか知らなかった.まだ西日と呼ぶには高い位置にある太陽が魔女の顔を照らしている.

魔女,とは言ってもただの中学生にしか見えない.人間の顔だ.

しかしその顔は泣いているようにも見えて私はなんだか声をかけづらかった.

魔女の前に来る.

けれど魔女はこちらを見ない.

そういえば今日の朝は魔女にあったのだろうか?

何故だかすぐに思い出せなかった.

「こんにちは」と私は言ってみた.

魔女は顔を上げて,あら,と言った.

「ちょっと居眠りをしてしまっていたわ」 と魔女は言う.

寝ていたのか.

遠くからはまるでそうは見えなかったので私は少し驚く.

というか

「魔女も居眠りなんてものをするんだね」

「するわよ.昨日は夜更かししちゃって」

夜更かし.

魔女が夜更かし.

それはちょっと面白いなと思った.

そういえば彼女は日中に活動しているのだろうか?

否,そうではないと夜更かしなんて概念はないはずだ.

それは人類からしたら一般的な魔女のイメージとは違っていて,

「変?」

「いや,変ってことはないさ」と私は答える.

「人類はまだまだ魔女のことを知らないだけなんだと思う」

言ってから私は何を偉そうに人類を代表したような発言をしているのだろうと,少し自己嫌悪に陥った.

「どうして人間は日が落ちたら眠るのがいい,というシステムを作ったのかしら」

「そういうシステムを作った誰かがいるとすればそれは人間ではないね」

本能

それは誰が作ったシステムなのだろう.

「じゃあ神様だっていうのかしら?」

以前にも魔女とは神様の話をした気がした.

その時彼女はなんて言っていただろうか.

「君はさ」

私はもしかしたらこのとき主語を誤ったのかもしれない.

「神様を信じてはいなんだっけ」

魔女は人類よりも真理に近い存在だとこの時私は思っていたし今でもそう思っている.

けれどそれはきっと誤りで,だからこそ魔女は私に対して「いろいろ教えてほしい」などと言ったのだ.

真理というのはきっと神様や彼女のことではない.

それは,

だから,だからこそ魔女はこう答えたのだろう.

「神様というのは人間が作ったもののことかしら?それならば私は全く信じてなんかいないわ」

背に当たる陽が熱さを増して,私は額から汗を流していた.

今日はこんなに暑かっただろうか.

その日私はちゃんと家に帰ったのだろうか?

帰路の記憶がない.

けれど翌日をきちんと布団の中で迎えたのだ,ちゃんと帰ってきたのだろう.

四月の十七日

なんだか見たことのある日付だなと私は思った.

日の記 11

11

 

私が中学生の頃,一度大きな彗星が日本からでもよく見える時期があった.もちろんその彗星の出現はずっと前から分かっていたことで,私はしきりに友人たちにそのことを話していた.

けれど驚いたことに私の友人たちは特に興味を持つわけでもなく私の話には耳を傾けなかった.

私はそれまで宇宙とか自然現象というものは全人類が好んだり興味を持ったりする対象だと思い込んでいた.けれどそうではないのだな,ということを私は初めて知ったのだ.

私は当時その彗星の出現を今か今かと待ち望んでいたけれどそのことについて同じ話題で話せる相手がいないことに一方で深く悲しんで,自分の感情が分からなかった.

自分の信じて疑わなかったものが音を立てて壊れていく気がした.

きっと誰もがいつかはする経験なのだろうけれど,感受性が敏感になり始めた思春期の頃の私には,そのことが少しトラウマ的体験として心を抉った.

好きなものを好きなままでいてはいけないような気がした.

どうして人間の感情はこうも不自由なのだろう.

「人間はとても自由じゃない」と魔女は言う.

「とても不自由だと思うんだけど」

このときの魔女は少し不機嫌に見えた.

けれどもちろんその理由は全く分からない.

「自由っていうのはね,ライオンから逃げる兎のようなものなの」

私は珍しく,魔女の言っているところが分かった.

つまり,兎を得ようと駆け回るライオンは不自由なのだ.

「何かを得ようともしないあなた方が,不自由だなんて,そんなことはそもそも認識違いよ」

「君は不自由かい?」と私は尋ねる.

「私は,今は自由よ.今すぐにでも何かを得ることを諦めることができる」

「そうするとライオンもある意味では自由なんじゃないかな」

と私は言ってから気が付いた.気が付いたことが二つあった.

自由や不自由という概念は非常に曖昧で,だから自由な身にとって他人の自由不自由は関係ないのだ.

けれども一方でこれは対になっている概念でもない.どちらかというと一体になっている概念だ.

「魔女はね,」

自由には生きられないのよ,と.

なんとなくそんな感じのことを言っていた気がする.

今でも魔女の言葉は曖昧で取り出して思い出せるものは少ない.しかし,それは不意に,そして特段の根拠もなく私はその言葉を信頼してしまうのだ.

魔女にとっての自由が何たるかが分かるわけではない.けれど,私は人間はなんて自由で身勝手で適当な生き物なのだろうと思ったのだ.

あの時もっと深く掘り下げて聞いていたら,もしかしたら魔女が生きる意味やその存在,目的や世の真理について私は一端を垣間見ることができたのかもしれない.

あの時の彗星が次いつ来るのかを私は覚えていない.

けれど一生懸命に誰かを追いかけて,ただひたすらに同じルートを周回し続けるある意味健気なあの彗星を私はどんな思いで眺めただろう.

気が付くと周囲は夕暮れ時で,私の頭上には満点の星空が広がっていた.

そして西の低いところに大きな尾っぽを引いた彗星が見えた.

私はただ,あの彗星の後姿を見ることしかできない.

明日も,明後日も同じ場所に見えるだろう.

けれど彼女は一方で,ちょっとずつ向きを変えて,場所を変えて,そしていつかは見えなくなってしまうだろう.

そのはずなのに,私たちはその瞬間を気にも留めず,気がついたらいなくなる彼女らをいなくなってから認識するのだ.

 

日の記 10

10

 

目が覚めてまず確認するのは今日の日付だった.

私は朝が弱くて起きてすぐは何も考えられないし,立ち上がる力もない.あるのはただ何となく今日も同じ身の中にいるのだなというぼんやりとした認識と,目覚めてしまったという若干の絶望である.

もしかしたら若干どころではないかもしれない.

壁にかけられているカレンダーを見て今日の日付を確認する.それだけでは今日が何日かわからないのでそこでようやくデジタル時計の表示をみて今日の日付情報を明確にする.

曜日と起きた時間を考えるとどうやら今日は二限から大学に行けばいいらしいことは分かった.

ぼさぼさの頭に手をやって学校行かなくていいかなという決まり文句を脳内で呟いてからベッドの淵から足を出して身を起こした.

どうしてこう,考えていることと行動はいつも矛盾するのだろうか.

きっと本当は,自分はそんなこと考えてもいないのだろう.

思考よりも行動が全てだ.

だから真意は行動に出る.

きっと私は「学校に行かなくてもいいか」なんて思ってもいないのだ.

今日も聖書の勧誘をすり抜けてキャンパスに入ると,私はすぐ魔女の姿を探した.魔女はいない日もあるけれど,今日はそこに座っていた.

今日も気がついたら学校に来ていて,また同じCtrl+Cの日々を過ごす.

けれど魔女は毎日違う日を過ごしていて,きっと彼女は彼女の仕事をこなしているのだろう.

魔女の仕事

字面は少し不気味だ.

彼女は毎日何をして過ごしているのだろう.

そういえば魔女の日常のようなことについて,私は尋ねたことがなかった.

日の記 9

 

帰り道.

いつものベンチには魔女はいない.

毎日彼女はいつここに来て,そしていつ帰っているのだろうか,と考えた.家はあるのだろうか,と少し考えた.

外見はどこから見ても普通の人間のそれなのだから,魔女だ,と言われても普通は信じられないのではないだろうか.

自分はどうして彼女が魔女だと思うようになったのか,思い返してみたがどうしてだったかはまるで覚えていない.

今日も今日とて桜が満開だった.

ちょっと風がそよぐだけでもこんなに花びらが散っていくのにもうずっと桜は満開でいる.

そのことが少し不思議だった.

明日,魔女に聞いてみようかなと思った.

空はこんなに青いのに,遠くの空は黒い雲に覆われていて,きっとあそこでは雨が降っているのだろうと思った.

ただただ運よく私のいるところが晴れているだけなのだ.

否,太陽を覆うものが無いだけなのだ.

ある,と,ない,の差.

この違いはなんだろう.

そして,誰がそんなこと気に留めるのだろう.