@がんばらないで生きていく

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悪いものが、来ませんように を読んだ.

こんばんは,よしだです.

前回からどれくらいの月日がったのか分かりません.

でも第4回が書けることを嬉しく思います.

 

今回はこれです.

悪いものが、来ませんように (角川文庫)

悪いものが、来ませんように (角川文庫)

 

今回も若干のネタバレを含みますので悪しからず.

 

まず私が読み始めて最初に抱いた印象は「描写が直接的じゃなくて読みづらい」「呼称が気持ち悪い」「これはいつどこ誰の感想なのか分からない」といったところでした.

とにかく文章が入ってきづらかったです.

これは単に私が最近読書していなかったために脳が弱っていたからというのもあるとは思います.

しかし,小説としてはかなり不親切では?と思ってしまうことが多かったです.

あと「声音」これがいっぱい出てきた.そして読みが分からない.なじみがない.「声(コエ)」でいいでしょ.

さて小説として不親切だったとしても内容と「仕掛け」は確かにエンターテインメントに富んでいました.いえ,表現がよくないかもしれませんがまあ,面白かったでは表現できない不気味な面白みがありました.

これ映像にすればきっと引き込まれると思うんですよね.

映像なら無音状態を作れるけれど,小説ではそれが作れない.

映像化されれば化けそうだなと思いました.

内容は主に二人の登場人物の一人称視点+周辺人物のインタビューによって構成されています.

インタビューというのもこれはのちに分かることですが決して警察による取り調べに対する返答ではないんですよね.そして明らかに登場人物二人の関係性がおかしい.破綻しています.

読みながら何度も何度もこれは誰だ?と思わされました.読んでいてつらかったです.そのせいで内容が入ってこないので.

そしてもったいないと感じたのは題名の回収が弱いこと.

すごくいい題名をしているのに本文では二回しか出てきません.しかも説明も薄い.

そこまで私がこの作品に感動できなかったのは私の感情が貧だからでしょうか?

 

そして何より気に食わなかったのは解説が本作と作者をべた褒めしていることでした.

だまされることが好きなら詐欺にでもあってください.

 

少なくとも私は騙されたくてミステリを読んでいるのではありません.というか本作はミステリでしたか?

きっと違ったと思います.

あ,サスペンスなんですね,すみませんでした.

しかしまあ事件が起きてそれを解決しようという流れでは少なくともありませんでした.

一つの事件をでもその真相に迫るというシナリオはミステリとも取れますか?すみません文筆家ではないのでそれぞれの定義が分かりません.

いずれにせよ女性にはわかる,とか男性だから分からないという意見は至極嫌いです.

しかし母親じゃないと分からない.子供じゃないと分からない.といった事実は当然あります.

どれも偏見で,個々人の意見です.しかし,それこそが大事なことではないですか?「それはあなたが思っているだけですよね?」とでも言ってマウントを取りたい人はどうぞAIにでも本を読ませて感想を吐き出させてください.

どうか,どうかあなたのところにだけは悪いものが来ませんように.

 

 

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