@がんばらないで生きていく

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嘘と本当の割合

こんばんは,よしだです.

もう二か月ほど前ですが死刑にいたる病を読んだレビューを書きました.

albireo-da-vinci.hatenablog.com

そこで登場する殺人鬼,榛村大和の「嘘をつくには9割は本当のことを話した方がいい」という台詞を取り上げました.

正しく引用します

「ぼくからも最後に一つ.嘘をつくときは,九割方真実を話すのがいい.残りの一割だけで嘘をつくのがこつだよ」

これが殺人鬼の言葉です.

 

さて,私には熱心に追っている漫画があります.

「彼女,お借りします」という最近アニメ化もされた22/7のキャラクターストーリーを書いている宮島礼史先生が描いておられる漫画です.

その最新第18巻の水原の回想シーンで祖母の言ったセリフがとても印象的でした.

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 「人の心はね

 99%の嘘と 

 1%の真実で

 できてるのよ」

「 でも それは

 それぞれ大切な

 1つの真実を守る

 ためだったりするし...」

なるほど,この善人の権化かのようなおばあ様の言葉は榛村のそれとは割合が全く逆です.

ここに9割本当のことを話す殺人鬼と99%は嘘をつく女優一ノ瀬小百合という構図が非常に面白く感じられます.

殺人鬼は1割の嘘に重きを置き,おばあ様は1%の真実に重点を置いているように思えます.

これは各人の美学でしょう.それぞれとして納得できます.

 

さてこうして話をまとめてみると誰もが頭によぎるエジソンの名言があることでしょう.それは

「天才とは99%の努力と1%の直感である」

という言葉です.

けれどこれもやっぱり,どう考えても1%の直感の方が9割9分の努力よりもよっぽど重要のように思えます.その結果が天才かどうかは個人的には同意しかねるところではありますが.

つまり我々はたった1%の重要事項のために残りの99%を別のことで埋める必要があるようなのです.

 

この遠回りこそが美しい.

 

そう私は感じるのです.

たった1%の真理を残り99%の残滓で固めるのか,あるいは残滓こそが真理か.

本当はnoteに投稿しようと思ったのですが死刑にいたる病のレビューを引用する都合上こちらで投稿いたします.

ちなみにこちらは本当の怪文書のつもりです.

私も99%はでたらめに生きています.

悪しからず,では,また次回があることを祈りつつ.

おしまい.